草來舎のやきもの 草來舎の焼物ができるまで

登り窯の窯焚き、無事終了!

 カテゴリ : ブログ[器と食・里山の暮らし] | 2013年 2月 11日 月曜日
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2月6日~10日、足かけ5日間の、登り窯の窯焚きが無事終了しました!

私達の登り窯は、燃焼室である胴木間と、主に作品を入れる焼成室(1の間~3の間)が3部屋の計4部屋。下の部屋から順番に、今回は86時間かけて焚き上げました。

登り窯は各部屋が階段状に登っていて、一番下で焚いていても炎が自然と上へ登っていきます。窯全体が煙突のようになっているのです。

86時間のうち、70時間以上は一番下の胴木間を焚き続け、窯全体をゆっくりと温めていきます。

最初の12時間ほどは焚口の一番下で小さく火を焚きながらの「炙り」です。薪くべも忙しくなく、ゆらめく炎を見ながら程よくのんびり。

時々窯の中の色や温度を確かめながら、窯全体がゆっくり徐々に温まっていくのを待ちます。

一緒に窯を焚く仲間が、この日は火の番をしながら窯の横で狸やテンをさばいています。

窯焚きとは直接関係ないけど、何だかこういうの、山ならではの暮らしというか・・・。

火入れから12時間を過ぎた頃から、胴木間に直接薪をくべ始めます。

ここに熱い燠を貯めていくことで、窯全体の温度を、まずは1000度以上まで上げていくのです。

器に薪の灰が掛かり、自然と釉薬状になる「焼締自然釉」の作品は、この部屋で焼かれます。

胴木間の上の1の間が1000度を超える頃には、胴木間の温度は1200度以上。窯の中は目がくらむような明るさで、薪くべのたびに熱さで服の上からも肌が焼けそうなほどです。

窯焚き4日目の夜からは、山村留学の子ども達も窯焚きに参加。

小学校5年生から中学校3年生までの彼らは、薪になる赤松を山から伐り出し、割り貯めることから一緒にやっている大切な仲間。

窯詰めにも、もちろん参加しました。(今回の窯詰めの様子はこちら

彼らは、ふだんから毎日の風呂焚きやストーブも薪で焚いているので、イマドキの子どもながら火の扱いには慣れています。

焚口からの熱線にもたじろぐことなく、果敢な薪くべ。大人と一緒に焚き方を考え、薪を割り、薪をくべて記録もする。窯焚き中、ご飯も作るし、お風呂も焚くし、宿題もする。(最後のは、ちゃんとやったかは不明)

彼らの保護者の方々も、予め作品を作って窯に入れ、この窯焚きに参加しています。

真夜中の薪割りから夜食作りなどの裏方、薪くべする人に薪を渡したり、はたまた薪をくべたりと、お仕事が忙しい中を遠くからいらしてるのに、夜を徹しての重労働。

本当にありがたいことです。

私達の窯焚きで使う薪は、泰阜村の赤松。昨年の冬に山から出し、割ってから夏の間に乾燥させたもの。(昨冬の山仕事の様子はこちら

胴木間では、赤松の丸太を直径10センチほどの大きさに割ったものを使いますが、胴木間より上の1の間から3の間では、それをさらに3センチほどの細さまで割った細い薪、「小割り」を使います。(その薪割りの様子はこちら

胴木間を焚き始めて70時間以上が過ぎ、1の間の温度が1100度を超えてくると、1の間の中の器が光り始めます。

窯の天井に開いている小さな火吹き穴からは、「燭」と呼ばれる炎が出始め、そうするといよいよ1の間への薪くべが始まります。

胴木間を閉めて、次は1の間への薪くべ、その次は2の間と、順番に上の部屋を焚いていくのです。

薪くべは、薪を一時に多く入れ過ぎてしまうと窯を冷やしまうし、少なすぎても温度が上がっていきません。

薪の本数とタイミング、刻々と変わる窯の中をよく見ながら、瞬時にそれを判断し、素早く薪をくべる。

温度が1200度に近づくにつれ、薪を放り込むたびにバチバチッとした激しい音がして、耳を澄ますと、窯が炎の流れで鳴くような音を立てるのが聞こえます。

そして煙突からは龍のような炎が噴き出してきます。

窯の部屋全体が奥まで光り、温度も1200度を超えてくると、窯の中から「色見」を出して実際に釉薬が融けているかを確かめ、融けていればその部屋を閉じ、上の部屋を焚き始めます。

この判断が一番難しい。

もう何十回も焚いているのに、そのたびに、この判断が正しいのか、不安でドキドキすることがあります。

融けていないより、融けすぎてしまうと取り返しがつきません。

それでも1の間、2の間と順調に焚き上げ、いよいよ最後の3の間です。

(実際のところは窯出ししてみないと分かりません!!)

この部屋は他の部屋より小さく、「酸化焼成」といって空気をたっぷり送り込む方法で焚き上げます。酸欠状態で焼く「還元焼成」とは、釉薬の色が違ってくるのです。

小さい部屋ですが、部屋の中での温度差が出やすく、しかも温度が急上昇しやすく、焚き方のコントロールに苦労をしました。

窯焚き5日目の夜が明ける頃、3の間の中の温度差もとれ、酸化とは反対の還元に偏りがちな釉薬の色も、酸化の色に落ち着いていることを色見で確かめ、無事に窯焚きは終了しました。

全ての部屋に戸閉をし、煙突もふさいで、1週間ゆっくりと窯を冷まします。

薪くべを終えても、閉じられた窯の中からは、行き場を失った炎が燃えさかる音が、ゴーゴーと聞こえてきます。

今朝、窯焚きを終えた登り窯は、何事もなかったかのように静かでした。

でも、窯の周りはほのかな暖かさが漂い、激しかった窯焚きの余韻を少し残しています。

(近くで猫を飼っていた時は、その猫が窯を冷ましている間、よくそばで昼寝をしていました)

私達の登り窯は、泰阜の自然に支えられ、薪の山を提供してくださっている地域の方に支えられてこその窯です。

そして、この長丁場の焼成には、たくさんの仲間と、その想い無しには焚くことができません。心から感謝です。ありがとうございました。

(葉子)

 

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工房草來舎は夫婦二人の小さな焼き物工房です。
信州伊那谷の南端泰阜(やすおか)村に登り窯と穴窯を築き、薪窯による「焼締自然釉」や、天然の「灰釉」を中心に、日々の暮らしを彩る器を作っています。

20年間に12600人の方にお届けした器は、今やほとんど見られなくなった昔ながらのやり方で焼き上げたものです。器の美しさに、安全・安心を添えてなお手元に届けます。詳しくは「工房草來舎のやきもの」をお読みください。

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※制作中は直接電話に出られませんので、取り次ぎとなります。まずは、メールでお問い合せください。



お知らせ

●12月14日~17日、今年度初めての登り窯を焚きます!

●次回展示会は、5月~6月頃に日本橋髙島屋での予定です。詳細が決まり次第お知らせ致します。

 

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