草來舎のやきもの 草來舎の焼物ができるまで

登り窯の窯焚き

 カテゴリ : ブログ[器と食・里山の暮らし] | 2014年 2月 10日 月曜日
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2月5日夕方から焚き続けていた登り窯の窯焚き。たくさんの仲間に支えられて、9日早朝に無事に焚き上げました。

8日未明からは泰阜でも雪が降り続け、後半は雪が降りしきる中での窯焚きとなりました。

登り窯 窯焚き 草來舎私達の登り窯は、燃焼室である胴木間と、主に作品を入れる焼成室(1の間~3の間)が3部屋の計4部屋。

一番下の胴木間から上の部屋へと、順番に焚き上げていきます。

登り窯は各部屋が階段状に登っていて、一番下で焚いていても炎が自然と上へ登っていきます。

今回の窯焚きは約84時間焚き続けましたが、約70時間は一番下の胴木間を焚いて、窯全体をゆっくりと温めます。

この胴木間をたっぷり焚くことが、窯焚きの成功の秘訣。

登り窯 草來舎

最初の12時間ほどは焚口の一番下で小さく火を焚きながらの「炙り」。

時々窯の中の色や温度を確かめながら、窯全体がゆっくり徐々に温まっていくのを待ちます。

登り窯 窯焚き 草來舎

そして火入れから12時間を過ぎた頃から、胴木間に直接薪をくべ始めます。

ここに熱い燠を貯めていくことで、窯全体の温度を、まずは1000度以上まで上げていくのです。

焦らずじっくり、たっぷり。ここで急いで上の部屋に上がってしまうと、温度ムラが起きたり、またはこじれて温度が全然上がらなくなったりします。

登り窯 窯焚き 草來舎

器に薪の灰が掛かり自然と釉薬状になる「焼締自然釉」の作品は、この部屋で焼きます。

赤松の灰が熱せられた器の上に溜まっていき、徐々に土と溶け合って光り始めるのが、激しい炎の中に見て取ることができます。

胴木間の上の1の間が1000度を超える頃には、胴木間の温度は1300度近く。

赤松の薪は、くべた瞬間にバチバチバチッと激しい音を立てて燃え尽きていき、目もくらむような明るさの熾が、胴木間いっぱいに光っています。

薪くべのたびに、服の上からも肌がヒリヒリと焼けそうなほどの熱さ。

登り窯 窯焚き 草來舎

窯焚き3日目の夜からは、山村留学の子ども達が窯焚きに参加です。

登り窯の薪に使う赤松を山から伐り出し、丸太を割り貯めるところから一緒にやっている彼らは、子どもながらも仕事人集団。

私達草來舎も、彼らには大人同様の仕事の質を求めています。

彼らはイマドキの子どもながら、、ふだんから毎日の風呂焚きやストーブも薪で焚いているので、火の扱いには慣れ、火の性質もよく知っています。

昨年12月の穴窯の窯焚きも経験しました。

そして窯焚き中であれ、自分達のご飯も作るし、お風呂も焚くし、宿題もする。普段の生活も淡々と回しながら、夜中の窯焚きも交代で行います。

眠気にも負けず、焚口からの熱線にもたじろぐことなく、焚き方も考えながらの果敢な薪くべ。

見事な仕事ぶりでした。

登り窯 窯焚き 草來舎登り窯 窯焚き 草來舎

火入れから70時間以上が経ち、1の間が1100度近くなって、火吹き穴から「燭」と呼ばれる炎が安定して吹き出してくれば、胴木間を閉じていよいよ1の間への薪くべが始まります。

この時には既に、1の間に入れた作品の表面は、釉薬も溶け始めてキラキラと輝いています。

登り窯 窯焚き 草來舎1の間から3の間までは、主に灰釉を掛けた作品を焼きます。

胴木間からの炎でたっぷり時間を掛けて温められているので、直接薪をくべると、グングンと温度が上がっていきます。

登り窯 窯焚き 草來舎登り窯 窯焚き 草來舎

そして煙突からは龍のような炎が。

登り窯 窯焚き 草來舎

温度計が1200度を超え、器が部屋の奥まで光ってくれば、「色見」を窯の中から引き出し、実際に釉薬が溶けているかを確認します。

色身の釉が溶けていれば1の間を閉じ、2の間を焚き始めるのですが、この判断が窯焚きで一番難しいところ。

色味では釉が溶けていても、実際に窯を開けてみたら溶けていないこともあるし、逆に溶けすぎていることもあります。

何回窯焚きをしても、この判断をする時はドキドキとした不安と、だんだんと窯が焚き上がっていく安堵感が交錯します。

登り窯 窯焚き 草來舎

今回は胴木間でたっぷり焚いただけあって、1の間から3の間はあまり時間が掛からず、こじれることもなく、焚き上げることができました。

(でも窯を開けるまでは本当の焼き上がりは分かりません)

登り窯 窯焚き 草來舎

私達の登り窯は、泰阜の森の力と、たくさんの仲間の支えによって焚いています。

今年の薪も、一昨年の寒の時期に雪を割るようにして山から出したもの。

赤松を伐る時期もよく、雨風にさらさずに薪にして貯めておくことができたので、本当に状態のいい薪になっていました。

薪の状態がとてもよかったので、今年の窯焚きは本当に調子よく焚くことができました。

登り窯の窯焚きは、薪の準備などの山仕事から数えると、3年余り掛けての大仕事です。

多くの時間と手間が掛かりますが、この素朴な営みの中に大事のものが詰まっていると感じています。

泰阜の豊かな森と、その森を守ってきた泰阜の先人。

そしてこの焚き上げまで支えあってきた仲間に、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。

登り窯 窯焚き 草來舎登り窯 窯焚き 草來舎

焚き上げの朝は、見事な雪景色。

雪とともに天竜川の川霧で、谷は白くなっていました。

久しぶりのまとまった雪だったので、庭には子ども達が作ったかまくらと雪だるま。

これから窯は、1週間掛けてゆっくりと冷まし、15日が窯出しです。

一年に1回の登り窯の窯焚き。全力は尽くしたけれど、どんな焼き上がりになっているか、ドキドキです。

(慶・葉子)

 

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工房草來舎は夫婦二人の小さな焼き物工房です。
信州伊那谷の南端泰阜(やすおか)村に登り窯と穴窯を築き、薪窯による「焼締自然釉」や、天然の「灰釉」を中心に、日々の暮らしを彩る器を作っています。

20年間に12600人の方にお届けした器は、今やほとんど見られなくなった昔ながらのやり方で焼き上げたものです。器の美しさに、安全・安心を添えてなお手元に届けます。詳しくは「工房草來舎のやきもの」をお読みください。

〒399-1801 長野県下伊那郡泰阜村6218-22 あんじゃね自然学校内
電話番号 0260-25-2171 / FAX番号 0260-25-2850
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※制作中は直接電話に出られませんので、取り次ぎとなります。まずは、メールでお問い合せください。



お知らせ

●12月14日~17日、今年度初めての登り窯を焚きます!

●次回展示会は、5月~6月頃に日本橋髙島屋での予定です。詳細が決まり次第お知らせ致します。

 

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