草來舎のやきもの 草來舎の焼物ができるまで

登り窯の窯焚き

 カテゴリ : ブログ[器と食・里山の暮らし] | 2015年 12月 14日 月曜日
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12月10日の夕方に火入れをした登り窯。13日の朝に無事に焚き上がりました。

今年は火入れを12時間遅らせて、火入れから焚き上げまで61時間の窯焚きとなりました。

この窯焚きは、ふだん一緒に焼き物を作っている山村留学だいだらぼっちの子ども達やそのスタッフ、保護者の方々などと共に焚きます。

今年の子どもは小学校4年生から中学校3年生までの18人。

子どもと一緒に焚くからといって、子どもがある程度体験できればいいとか、失敗してもいいとかではなく、あくまでも質の高い窯焚きを目指します。

彼らは窯詰めから薪割り、薪くべと全てこなし、薪に使う赤松も、山から自分達で運び出しています。

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でも彼らは特別な子ども達ではなく、ごくごく普通の小中学生。

しかし「火」については、ちょっとイマドキの「普通の子」ではないかもしれません。

彼らは、ふだんからお風呂を薪で焚き、ストーブも薪ストーブ。

毎日薪でお風呂を焚くここの子ども達は、火の扱い方をある程度体で覚えています。

その積み重ねがなければ、子どもが(大人であっても)自らの力で薪の窯を焚くのは困難です。

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私達の登り窯は燃焼室である胴木間、作品を入れる1の間から3の間までの全部で4部屋。

一番下の胴木間で全体の8割ほどの時間を焚いて窯全体を温め、下の部屋から順番に焚き上げていきます。

火入れから24時間経つ頃には、胴木間の中は1200度近く。

眩しさで目がくらみ、服の上からもジリジリと火傷をしそうな熱さです。

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大人も子どもも、どうやったら温度が上がるのか、燠の量や窯の明るさを見て、温度計を参考にしながら、くべる薪の本数や太さを瞬時に考えて素早く正確に薪をくべる。

ひとりひとりが深く考え、それを仲間と共有し、焚き方を決め、時には失敗し、また考え、焚き続ける。それを粘り強く繰り返していく窯焚き。

大人でも難しい仕事を、観察力と集中力、仲間との協力で子ども達もこなしていきます。

登り窯 窯焚き 自然体験 陶芸教室 造形教室 草來舎そして焚くだけではなく、記録や薪割りなどの周辺の仕事もとても大切。

「窯場」というひとつの場を、子どもから大人までが一緒に作り、なおかつ子ども達は、ご飯づくりや掃除、学校の宿題などをの普段の暮らしも回しながら4日間の窯焚きを乗り越えます。

この窯焚きは、子ども達にとって「暮らし」から切り離された単なる「体験」ではありません。

火入れから48時間近く、1の間の火吹き穴から燭と呼ばれる炎が吹き出してくると、胴木間を閉じ、1の間への薪くべが始まります。

登り窯 窯焚き 自然体験 陶芸教室 造形教室 草來舎ここからは、小割という細い薪しか使えません。

胴木間をたっぷりと焚くことで十分に温められた1の間は、直接薪をくべ始めるとグングン温度が上がっていきます。

しかしここで急いでしまうと、同じ部屋の中でも温度ムラが出てしまうので、くべる薪の本数や薪くべのタイミング、熾の量などを繊細に調節しなければなりません。

この頃になると、煙突からは激しい炎が吹き出し、さながら龍のよう。

登り窯 窯焚き 造形教室 陶芸教室 自然体験 草來舎そして器の表面がキラキラと輝き、炎の影を鮮明に映し出し始めたら、窯の中から色見を引き出し、実際に釉薬が溶けているかを確認。

溶けていたら上の部屋へと進んでいきます。

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2の間は1の間より温められている時間が長いので、さらに短い時間で焚き上がります。

そして最後の3の間。

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この部屋は他の部屋と違い、空気をたっぷりと送りながら焼く酸化焼成なので、薪くべのコントロールがより難しい。

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くべる本数が少なければ温度が上がらず、多すぎても還元焼成になってしまいます。

薪くべの間隔時間を計り、温度上昇を見る人、実際に窯の中を見て熾の状況や炎の流れを見る人、それぞれが連携しながら息が詰まるような薪くべが続きます。

登り窯 窯焚き 造形教室 陶芸教室 自然体験 草來舎火入れから4日目の夜が明ける頃、、色見を引き出して釉薬が溶けているかを確認。

部屋全体の器の光り具合をもう一度確認して焚き上げとなりました。

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最後の薪くべが終わり煙突からの炎が引いたら、煙突をレンガで閉じ、窯焚きは終わりました。

煙突を閉じると、窯の中からは行き場を失った炎がゴーゴーと唸っているのが聞こえてきます。

閉じられた煙突を見つめながら、子ども達は疲れた中にも満足感と達成感を漂わせています。

頭をひねり考え、体を動かして仲間と働き、ひとつのことを成し遂げたあと、子ども達はその子なりの深いところに辿り着いたような、深く澄んだ顔をしています。

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このままゆっくりと窯を冷まし、窯出しは1週間後。

今回もたくさんの人に支えられての窯焚きでした。

だいだらぼっちスタッフ、保護者の方々、地元泰阜の方々に深謝。

年明けの2月には、もう1回登り窯を焚く予定です。

(葉子)

 

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信州伊那谷の南端泰阜(やすおか)村に登り窯と穴窯を築き、薪窯による「焼締自然釉」や、天然の「灰釉」を中心に、日々の暮らしを彩る器を作っています。

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