先日、一緒にものづくりをしている山村留学の子ども達が「野焼き」に挑戦。
3、4人ほどのグループになって、それぞれ野焼きのやり方やしくみを考えました。
穴を掘ってくぼめて、さらに籾殻を使って野焼きをするチーム。
ふだんから薪で風呂焚きをし、登り窯の窯焚きも経験している子ども達。
火の扱いに慣れていて、火の性質もよく知っている。
それぞれに工夫をしながら、焼き物を壊さぬように薪をくべていきます。
徐々に熱せられた作品は熾火の色に。
野焼きは火の様子が刻々と変化します。
どうすれば温度が上がるのか、その場でみんなで知恵を絞るのが野焼きの醍醐味。
籾殻を使ったチームは、十分に温度が上がってきたら、さらに上から籾殻を被せて一層の温度上昇を狙います。
子ども達は火をうちわで扇ぐのが大好き!
風が入るとみるみる籾殻が赤熱します。
そうだ、風の通り道をつけるには煙突だ!!
次から次とアイディアが!
変幻自由自在が野焼きの良いところ!!
それぞれの窯の焚きあげも個性的、火への感性はさすがです。
当日は天気にも恵まれて、上々の野焼きとなりました。
窯出しはハラハラ、ドキドキ。
一部割れてしまった作品もありましたが、素敵な焼き上がりです。
美しい茜色や炭に埋もれたところは黒陶になっていたり、表情は様々。
部分的に灰が溶けているところもあり、温度もしっかり上がったようです。
満足そうなみんなの顔が嬉しいです。
都会に暮らす多くの子ども達が、火と触れ合うことが年々難しくなってきている昨今。
でも子ども達は火が大好き。
あらためて、子ども時代に火と大らかに出会うことの大切さを実感した野焼きになりました。
そして、「土」が炎をくぐり抜けて「石」となる、焼き物の原点を目の当たりにした子ども達。
2月には子ども達と登り窯を焚きます。
この小さな野焼きが、大きな登り窯の窯焚きの、より深い理解につながることは間違いないと思います。
(慶)