草來舎のやきもの 草來舎の焼物ができるまで

登り窯、焚きあげ

 カテゴリ : ブログ[器と食・里山の暮らし] | 2016年 12月 22日 木曜日
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12月15日の夕方に火入れをした登り窯。18日の早朝に無事に焚き上がりました。

雨も上がって冷え込みも少なく、天候に恵まれた窯焚きとなりました。

登り窯 窯焚き 薪窯 草來舎 和食器 焼き締め 自然釉 灰釉 信楽 伊賀私達の登り窯は、一番下の胴木間と呼ばれる燃焼室、作品を入れる1の間から3の間の全部で4部屋。

15日の夕方に胴木間の下に灯された小さな火は、一晩もたつと胴木間全体を炎で包み、1の間からも炎が噴き出すようになります。

この胴木間で8割以上の時間を焚いて窯全体を温め、1の間から順番に3の間まで焚き上げていきます。

窯焚きは、ふだん一緒にモノづくりをしている「山村留学だいだらぼっち」の子ども達やそのスタッフ、保護者の方などとの協働作業。

今年の子どもは小学校4年生から中学校3年生までの19人。

登り窯 窯焚き 薪窯 草來舎 和食器 焼き締め 自然釉 灰釉 信楽 伊賀彼らは作品作りはもとより、窯詰めから薪割り、100束以上の焚き上げ用の薪の小割り、実際の窯焚き、来年の窯焚き用の赤松を山から出して割り切ることまで、「登り窯」の全てに関わっています。

全てに関わることで、窯焚きの技術も年々高まり、質も深まってきています。

直の火に触れることが本当に少なくなってしまった現代の子ども達ですが、彼らはふだんからお風呂を薪で焚き、冬になればストーブも薪。

火に対する感覚は常日頃から身に付いていて、子どもといえども大人顔負けの、もしかしたら大人以上の働きをします。

登り窯 窯焚き 薪窯 草來舎 和食器 焼き締め 自然釉 灰釉 信楽 伊賀子どもの窯焚き当番は4時間交代。

どうやったら温度が上がるのか、燠の量や窯の明るさを見て、温度計を参考にしながら、くべる薪の本数や太さを瞬時に考えて素早く正確に薪をくべる。

大人でも難しい仕事を、観察力と集中力、仲間との協力で子ども達もこなしていきます。

当番から当番への交代の時には、それまでの考え方を的確に伝えていくことも大切。

でも、窯は生き物。常に変化し、それまでと同じ焚き方をしていたのでは必ず温度は停滞、逆に下がってしまうこともあります。

時には何をやっても温度が上がらない、ジリジリとした時間が過ぎていくこともありますが、ひとりひとりが窯をよく見、深く考え、それを仲間と共有し、焚き方を決め、時には失敗し、また考え、焚き続ける。それを粘り強く繰り返していく窯焚き。

胴木間がゆうに1200度を超え、焼締めの作品の自然釉が光り出し、1の間の火吹き穴から燭と呼ばれる炎が勢いよく噴き出してくると、いよいよ1の間から上の部屋への薪くべです。

登り窯 窯焚き 薪窯 草來舎 和食器 焼き締め 自然釉 灰釉 信楽 伊賀この頃になると煙突からは、いきり立つ龍のような炎が。

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胴木間からの熱で十分に温められた1の間は、直接薪を入れ始めるとグングン温度が上がりますが、ただ温度を上げればいいわけではなく、部屋の中で温度ムラが出ないよう、慎重に薪くべをコントロールしなければなりません。

部屋の中に置いてある「色見」を取り出し、実際に釉薬が溶けていることが確認できれば、1の間を焚き上げ2の間へ上がっていきます。

登り窯 窯焚き 薪窯 草來舎 和食器 焼き締め 自然釉 灰釉 信楽 伊賀登り窯 窯焚き 薪窯 草來舎 和食器 焼き締め 自然釉 灰釉 信楽 伊賀

この1の間から2の間へ、2の間から3の間へと上がっていく判断が、窯焚きの一番難しいところ。

登り窯 窯焚き 薪窯 草來舎 和食器 焼き締め 自然釉 灰釉 信楽 伊賀

色見での釉薬の溶け具合、温度計、窯の中の色、熱さ、時間、いろいろな条件から判断して上の部屋へと上がるのですが、ほんの10分程の違いで溶け過ぎたり、溶け足らずだったり。

何十回と窯を焚いてきても、この瞬間はとても緊張します。

登り窯 窯焚き 薪窯 草來舎 和食器 焼き締め 自然釉 灰釉 信楽 伊賀

今回の窯焚きは、例年より温度上昇が早く順調で、1の間も2の間も3時間ほどで焚き上がり、最後の3の間へと上がりました。

登り窯 窯焚き 薪窯 草來舎 和食器 焼き締め 自然釉 灰釉 信楽 伊賀

火入れから55時間近く。

しんと静まり返った夜更けの窯場に、薪くべのタイミングを合わせる子ども達の声が響きます。

登り窯 窯焚き 薪窯 草來舎 和食器 焼き締め 自然釉 灰釉 信楽 伊賀

3の間は、昨冬の窯焚きでこじれて温度が上がらなかった部屋。

煙突のすぐ下の部屋なので、薪くべのコントロールがより難しい。

部屋の中の温度ムラも出やすく、炎の流れを作るために煙突を閉じたり、燠の量を細かく調整したり、緊張の薪くべが続きます。

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火入れから4日目の夜が明ける前、色見を引き出して釉薬が溶けているかを確認。

窯の中の作品の光り方もくまなく確かめて、午前3時半に3の間も焚き上げとなりました。

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「焚き上げだよ~」の声に、当番以外の子ども達も眠い声をこすりながら窯場に集合。

最後の薪くべが終わって煙突からの炎が引いたら、煙突をレンガで閉じて窯焚きは終了しました。

登り窯 窯焚き 薪窯 草來舎 和食器 焼き締め 自然釉 灰釉 信楽 伊賀窯の中では行き場を失った炎がゴーゴーと音を立て、窯からは触れない程の熱気が立ち上っています。

それは、疲れた表情の奥に高揚感と達成感を湛えている子ども達のよう。

焼き上がりは窯を開けてみないと分かりませんが、まずは無事に窯焚きを終えました。

このままゆっくりと窯を冷まし、窯出しは1週間後。

今回もたくさんの人に支えられての窯焚きでした。

だいだらぼっちスタッフ、保護者の方々、地元泰阜の方々に深謝。

年明けの2月には、もう1回登り窯を焚く予定です。

(葉子)

 

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工房草來舎は夫婦二人の小さな焼き物工房です。
信州伊那谷の南端泰阜(やすおか)村に登り窯と穴窯を築き、薪窯による「焼締自然釉」や、天然の「灰釉」を中心に、日々の暮らしを彩る器を作っています。

20年間に12600人の方にお届けした器は、今やほとんど見られなくなった昔ながらのやり方で焼き上げたものです。器の美しさに、安全・安心を添えてなお手元に届けます。詳しくは「工房草來舎のやきもの」をお読みください。

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お知らせ

●12月14日~17日、今年度初めての登り窯を焚きます!

●次回展示会は、5月~6月頃に日本橋髙島屋での予定です。詳細が決まり次第お知らせ致します。

 

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