草來舎のやきもの 草來舎の焼物ができるまで

登り窯、焚き上げ

 カテゴリ : ブログ[器と食・里山の暮らし] | 2017年 2月 13日 月曜日
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9日の夕方に火入れをした登り窯。

12日の朝に無事に焚き上げました。

山村留学「暮らしの学校・だいだらぼっち」の小中学生19人との窯焚き。

彼らは作品作りはもちろん、薪に使う赤松を山から伐り出し、割りためるところから一緒に仕事をしています。

これは単なる子どもの「窯焚き体験」ではありません。

今年度は2回目の窯焚き。(1回目の窯焚きの様子はコチラ

より高度で的確な焼き上がりを目指します。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 

私達の登り窯は一番下の胴木間と呼ばれる燃焼室、主に作品を入れる1の間から3の間の計4部屋。

下の部屋から順番に焚き上げていきます。

胴木間では灰被りなどの焼締自然釉の作品を取り、1の間から3の間は灰釉の作品を焼きます。

そして1の間と2の間は還元焼成。3の間は酸化焼成。

同じ釉薬でも、還元と酸化では焼き上がりの発色が全く違います。

松灰釉の酸化焼成の鉢はコチラ 松灰釉の還元焼成のぐい呑みはコチラ
藁灰釉の酸化焼成の鉢はコチラ 藁灰釉の還元焼成の鉢はコチラ

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 

ただ単に温度を上げて釉薬を溶かすだけではなく、胴木間で確実に自然釉を。

1の間と2の間を確実に還元に。

3の間を確実に酸化に。

そのためにはどうやって焚くのか。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 

薪くべのタイミング、薪の本数、その太さ、薪を入れる場所。

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薪をくべる人、運ぶ人、温度や窯の様子を記録する人、その時々の窯の状況に合わせて的確な太さに薪割りをする人。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 

窯場にいる全員が、五感を研ぎ澄まして窯の中、外を観察し、考え、話し合い、やってみて、時には失敗し、また考え、の繰り返し。

でもボヤボヤゆっくり話し合いもしていられない。

窯は刻々と変化し、逡巡し迷っている間、チームワークが取れずにわずかに薪くべの時間がずれるだけで、容赦なく温度が下がっていくことも。

一度衰え始めた窯の勢いを復活させるのは、想像以上に難しい。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 

しかもグングン温度を上げるだけでは部屋の中に温度ムラができてしまいます。

その上で還元と酸化を焚き分け、灰釉の持つ一番美しい焼き上がりを目指します。

窯焚き全体の8割近くの時間、胴木間を焚き続け、その排熱で上の部屋をしっかりと温めます。

しかし温めすぎると1の間が酸化焼成になってしまうので、温度コントロールが難しい。

煙突から炎が出、胴木間に入れた作品に灰が被って輝き、1の間の火吹き穴から燭と呼ばれる炎が噴き出してくると、いよいよ1の間への薪くべが始まります。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 

すでに1の間の中は1000度を超えて光り輝き、薪くべの度、肌に突き刺さるような熱さ。

窯の中の燠の量、色、温度上昇の速度、様々な状況を見つつ、還元焼成へ持っていきます。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 

温度が1200度を超えてくると、1の間も焚き上げ。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 窯の中の器の光り具合、色をよく見て、最後は窯の中から色見を引き出し、釉薬が溶けているか、還元がかかっているかを確認。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 

この色見の溶け具合で、1の間を閉じ2の間へ上がる判断をするのですが、その判断が窯焚きの中でも一番難しいところ。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 

色見が溶けていても、窯を開けてみたら溶け足らずだったり、その逆も。

いかに窯全体を掴めているか、試される時です。

1の間が焚き上がったら2の間へ。

2の間も還元焼成ですが、最初に出した色見はやや酸化気味。

それを挽回しようと燠をため過ぎたり、紆余曲折がありましたがどうにか3の間へ。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 3の間に薪をくべ始めると、煙突からはさらに龍のような炎が噴き出します。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 3の間は1の間、2の間と違って酸化焼成。

熾の量や薪くべのタイミング、本数、今までとは違う考え方で焚かなくてはなりません。

温度を上げようと薪をかぶせて入れると還元が掛かってしまうし、逆にゆっくり焚きすぎると温度は上がりません。

実際、1回目に出した色見は還元が掛かってしまっていました。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 

これを釉が落ち着く前に酸化に持っていかなくてはなりません。

2回目の色見、3回目の色見、徐々に釉の色が酸化の色に傾いていき、部屋の中にまんべんなく炎が行き渡って器が輝くのを確認して、焚き上げとなりました。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉 

炎が落ち着いたら煙突をすべて閉じ、焚口の隙間も土で塞いで60時間の窯焚きが終了。

登り窯 薪窯 窯焚き 草來舎 和食器 灰釉 自然釉

これからゆっくり窯を冷まし、窯出しは1週間後。

どんな焼き上がりか、焚き上げの判断は正しかったのか、少し落ち着かない1週間になりそうです。

今回もたくさんの人に支えられての窯焚きでした。

だいだらぼっちのスタッフ、参加してくださった保護者の方、赤松を伐らせてくれた村の山主の方、などなど、ありがとうございました。

(葉子)

 

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工房草來舎は夫婦二人の小さな焼き物工房です。
信州伊那谷の南端泰阜(やすおか)村に登り窯と穴窯を築き、薪窯による「焼締自然釉」や、天然の「灰釉」を中心に、日々の暮らしを彩る器を作っています。

20年間に12600人の方にお届けした器は、今やほとんど見られなくなった昔ながらのやり方で焼き上げたものです。器の美しさに、安全・安心を添えてなお手元に届けます。詳しくは「工房草來舎のやきもの」をお読みください。

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