草來舎のやきもの 草來舎の焼物ができるまで

冬は登り窯の窯焚き

 カテゴリ : ブログ[器と食・里山の暮らし] | 2020年 4月 26日 日曜日
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草來舎では年に2回、登り窯を焚いています。

例年12月と2月。草來舎にとって、冬は窯焚きの季節です。

秋に山から出してきた赤松を割って薪小屋に積み、乾燥させること2年。

この赤松を1回の窯焚きで600束ほど使います。

窯焚きを一緒にするのは、山村留学「暮らしの学校・だいだらぼっち」の小中学生達とスタッフ。

子どもといっても侮るもことなかれ。彼らは春から私達と作品作りをし、普段からお風呂やストーブを薪で焚き、その薪も山から自分達で出しています。

登り窯の窯焚きも単なる体験ではなく、薪割りや窯詰めなどあらゆる作業を協働で行い、窯の仕組みや焚き方なども勉強してきました。


窯焚きの準備は、割られた薪をさらに細く割ることから。

この細い薪が、1300度という高温を作り出します。

そして窯詰め。

この窯詰めだけでたっぷり4日間は掛かる綿密な作業。


窯の中の温度は一定ではなく、釉薬も種類によって融ける温度が違います。

作品は、掛けた釉の種類によって窯の中で置く場所が違い、また、炎は作品の間をぬっていくので、作品の形や大きさも重要。

窯の中で作品の形や大きさが偏ると炎の流れも偏ってしまい、大きな温度差が出てしまいます。

窯詰めに失敗すると、窯焚きも失敗。窯焚きでどんなに頑張っても上手く焼けません。

そんなことを考慮しながら、全ての作品を適材適所に収め切る窯詰めは、アタマが痺れそうになるけど面白い。登り窯

私達の登り窯は全部で4部屋。

下から胴木間、1の間、2の間、3の間、そして煙突。

作品を入れるのは主に1の間から3の間で、お茶碗だけなら1000個ほどは入ります。

登り窯の窯焚きは、何昼夜にも渡る窯焚きより、ここまでの準備に時間と労力が掛かります。

火入れは金曜日の朝。子ども達の登校の前、まだ暗いうちに点火。

様々な準備を重ね、やっとここまで辿り着いた子ども達、マッチでシュッと点けるのではなく、モミギリ式の火起こしで!

これも年々うまくなり、今年は10分ほどでボワッと火が点きました。

焚き始めは一番下の胴木間から。

窯焚き全体の約8割をここで焚きます。

胴木間で焚かれた炎は狭間穴と呼ばれるところを通って上の部屋へと登っていき、徐々に窯全体を温めていきます。

この、ゆっくり温めることがとても大切。焦って急に温度を上げようとすると、かえって温度ムラができてしまいます。

金曜日の夜からは、子ども達も交代で夜を徹しての窯当番。

窯の中を観察し、炎の流れや光、明るさ、燠の量を見極めながら、くべる薪の本数を決め、瞬時に薪くべ。

薪の燃える音、燃え尽きる時間、温度計の温度など、五感を駆使しながら、どうやったらむらなく温度が上がっていくのかを仲間とともに考え続けます。

考えて、やってみて、ダメだったらまた考えて、の繰り返し。


子ども達の当番は一回4時間。当番の交代の時、引き継ぎがとても大切。

焚き手が変わると、窯は必ず少しこじれるからです。

今までどういう考え方で焚いてきたのか、これからどうやって焚いていけばいいのか、自らのアタマで考え続けた言葉で伝えあいます。

刻々と変化する窯、それまでの焚き方が次に通用するとは限りません。

常に観察し、考え、焚き方を決め、やってみて、また考える。

胴木間が1200度をゆうに超え、1の間も1000度を超えてくると、胴木間を閉じ、1の間へ上がります。

このタイミングを間違えると、温度が上がりにくくなったり、釉薬の色が思ったように発色しなくなってしまいます。

1の間から上は細く割った薪のみで、一気に温度を上げていきます。

1300度近い窯は目も眩む明るさ、肌を突き刺すような熱さ。

煙突からは龍のような炎。

窯の中がまんべんなく光り、器が輝きだすと、窯の中から色見を取り出して釉が融けているかを確認。


色見の釉の融け方で、部屋全体の釉の融け具合を判断し、1の間を閉じ2の間へ、そして3の間へと上がっていきます。

この色見での判断が、窯焚きの中で一番難しいところ。

融点が違う釉の作品が混在する中で、どれもがちょうどよいところで焼き上がっていなければならないからです。

登り窯は下からの排熱で上の部屋を温めていくので、上に行くほど短い時間で焼き上がっていきます。

一番上の3の間は、部屋も小さくすぐ上が煙突なので炎のコントロールが少し難しいのですが、子ども達も疲れを見せない集中した薪くべで、ぐんぐん温度が上がり、予定より早く日曜日の朝に焚き上げとなりました。

煙突を閉じ、焚口の隙間などを泥で閉じて窯焚き終了。

子ども達も少し眠そうで煤けた顔で窯を見つめます。

薪くべが終わっても、耳をすませばまだゴーゴーという炎が流れる音、窯の熱気が静かに伝わってきます。

これから一週間冷まして、来週の日曜日が窯出し。

窯焚きの結果は作品を出してみないと分かりませんが、とにもかくにも、この窯焚きを支えて下さった、だいだらぼっちのスタッフ、保護者の方々、赤松の山に入らせて下さった山主の方、今年の薪を準備してくれた昨年、一昨年の子ども達、そしてこの登り窯を誇りを持って焚き続けてきた歴代の子ども達に感謝です。

(葉子)

 

 

 

 

 

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信州伊那谷の南端泰阜(やすおか)村に登り窯と穴窯を築き、薪窯による「焼締自然釉」や、天然の「灰釉」を中心に、日々の暮らしを彩る器を作っています。

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