草來舎のやきもの 草來舎の焼物ができるまで

林檎の灰の水簸(すいひ)

 カテゴリ : ブログ[器と食・里山の暮らし] | 2011年 1月 19日 水曜日
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林檎の灰の水簸(すいひ)私達の住んでいる信州伊那谷には、おいしい物がたくさんあります。季節の果物にも恵まれています。

泰阜村は柚子が実るほぼ北限。村内でも標高の高い地域では栽培がちょっと厳しい。逆に林檎は、この辺りが南限です。毎年いろいろな方から林檎の木を分けて頂いていますが、今年は飯田市龍江の林檎農家の方から譲って頂きました。それをストーブで燃やし、その灰を釉薬用に水簸しています。

「水簸」とは、灰を水洗いすること。灰を水の中に投入すると、灰になりきらない炭や燃え残りの木の枝が浮いてきます。砂などの重い不純物は下に沈みます。灰だけを上手に選別する優れた方法なのです。徐々に細かい篩を通して沈殿したものを乾燥させるとサラサラの灰が取れます。

水簸の時には、同時に水の中に灰の水溶性の塩類が溶け出します。これがいわゆるアク。これをきちんと取り除かないと釉薬が縮れたり、釉に濁りが出たりします。といっても取りすぎるのもよくない。アクが悪者というわけでもなく、塩梅、良い加減に上手に残すことで趣のある釉になることもよくあります。

灰もこのアクも古来からの暮らしでは本当に大切なものでした。カマドや囲炉裏の灰を買いにきた灰屋さんも戦後までいたそうです。(今もありますよ)灰汁(アク)は春の蕨などの山菜のアク抜きには欠かせないし、藍染めや草木染めの媒染剤や和紙の楮を煮るのにも使われていました。沖縄のソバもこの灰汁で打ちますよね。

灰によっては一ヶ月以上かけて、水を替えながらアクを抜いていきます。

信州で焼き物を焼く私達にとって林檎の灰釉は特別。林檎灰釉の色合いは他で得られない貴重な物です。山ほどの薪も、灰になるとわずかになってしまいます。

さあしっかりと良い釉薬に仕立てねば。同じ林檎の灰ですが、毎年、産地や品種などで個性が違う。美しい色合いを得るためには幾度も試し焼きを重ねないといけません。工程のひとつひとつが大事です。

(慶)

 

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工房草來舎は夫婦二人の小さな焼き物工房です。
信州伊那谷の南端泰阜(やすおか)村に登り窯と穴窯を築き、薪窯による「焼締自然釉」や、天然の「灰釉」を中心に、日々の暮らしを彩る器を作っています。

20年間に12600人の方にお届けした器は、今やほとんど見られなくなった昔ながらのやり方で焼き上げたものです。器の美しさに、安全・安心を添えてなお手元に届けます。詳しくは「工房草來舎のやきもの」をお読みください。

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