草來舎のやきもの 草來舎の焼物ができるまで

工房草來舎のやきもの -信州の自然の恵みから生まれた器-

信州伊那谷の南端泰阜(やすおか)村工房草來舎は夫婦二人の小さな焼き物工房。
信州伊那谷の南端泰阜(やすおか)村に登り窯と穴窯を築き、薪窯による「焼締自然釉」や、天然の「灰釉」を中心に、日々の暮らしを彩る器を作っています。

泰阜村は天竜川が深い谷を刻む急峻な山里です。厳しくも豊かな自然が残り、その自然と向き合って生き続けてきた人々の、暮らしの知恵と技術が残る場所。私たちはその自然の恵みに支えられながら、毎日器を作っています。

工房草來舎丈夫で使いやすいことはもちろん、野の花や手料理の映える飽きのこない器作り。

作品に自然の恵みを生かすよう、なるべく昔ながらの素朴な技法を用いています。手間を惜しまず、手間を掛ければ、自然はその力で応えてくれます。

素材から力が引き出されてくる、泰阜の自然の恵み。それが作陶の原点。

*土の恵み*
信州は、あまり焼き物の土には恵まれていません。しかし僅かながら採れる泰阜の土は、個性が強く面白い表情を見せてくれます。高温では融けてしまうような土でも、焼き方によっては思いがけないほど豊かな表情が生まれます。

扱いにくい土をどうにか工夫して使っていく中で、新たな表現の発見もあります。泰阜の土は単身として胎には使えなくても、他の土と混ぜたり釉薬に混ぜて使い、泰阜ならではの作品ができるように心がけています。

泰阜ならではの作品作り

*灰の恵み*

私たちは釉薬を草木の灰から作っています。日本では平安時代から続く昔ながらのやり方。泰阜村には釉薬の原料となる草木が豊富にあります。楢、赤松、田んぼのワラ、林檎の木など。これらを丁寧に燃やし灰にして釉薬に仕立てます。

楢や赤松は間伐材、林檎の木は林檎園の剪定した枝、ワラはご近所の農家から楢や赤松は間伐材を、林檎の木は林檎園の剪定した枝を、ワラはご近所の農家の方から頂いています。ワラはかつて貴重な生活資源でしたが、現代の生活ではめったに使われなくなってしまいました。

楢や林檎の木は冬の間のストーブで、赤松は穴窯や登り窯の燃料として、ワラはそのまま燃やし、燃やした灰は水洗いを繰り返してアクを抜きます。山のように燃やしても、釉薬の原料にできる灰は僅かしか取れません。

灰の上澄み液は草木染の媒染液としてしかし、水洗いした灰の上澄み液は草木染の媒染液として、釉薬に使えない部分の灰は畑の肥料として使い、作陶以外の用途で捨てることなく使い切ります。

都会の生活では産廃として扱われてしまう灰も、里山の暮らしの中では、草木などの材料を手に入れるところから、それを捨てずに適材適所に使い切るところまで、無理なく暮らしと生産を循環させながら行うことができるのです。

一切の人工物を加えず、土や石と混ぜ合わせるだけの釉薬その灰を一切の人工物を加えずに、土や石と混ぜ合わせるだけで釉薬に仕立てます。灰の種類と土との組み合わせによって、それぞれが個性的な色合いの釉薬となり、自然の持つやさしい色合いの器は、まさに灰の恵みそのものです。

特に信州の特産でもある林檎の木灰は、青白色から青紫色の美しい色が生まれ、 自然の木灰を原料とした釉薬の中でも特筆できるものです。

釉薬は草木の灰から

*森の恵み*

周囲を森に囲まれた私たちの工房では、森の恵みを生かして主に薪の窯で作品を焼いています。
今では珍しくなった穴窯と登り窯を自ら築窯し、燃料となる薪は、地元の山を間伐して得ています。

仲間と共に地元の山に入り間伐泰阜村はもともと林業の村でしたが、日本中の山村がそうであるように、過疎と後継者不足で山が荒れています。生活の糧であった山の荒廃は、里山の暮らしの荒廃にもつながっています。

私たちは地域と森を元気に! を合言葉に、仲間と共に地元の山に入り間伐を行い、窯やストーブの燃料を、自分たちで山から出しています。
その薪で、穴窯と登り窯を焚くのです。

穴窯の窯焚きは3日間、登り窯は5日間の長丁場穴窯の窯焚きは3日間、登り窯は5日間の長丁場。労力は掛かりますが、丁寧に仕立てた灰釉の良さを最大限に引き出すには、やはり薪の窯に勝るものはありません。土と釉薬が一体となった深い色合いは薪窯だからこそ。

また、作品に釉薬をかけずに窯に入れ、燃料である赤松の薪の灰が十分に作品に降りかかって自然に釉薬状になる「焼締自然釉」の豪快な味わいは、二つと同じ物ができない薪の窯の醍醐味といえます。

焼締自然釉の花入れ

左の花入れが「焼締自然釉」の作品。

釉薬は一切かけておらず、赤松の薪のみを使って登り窯で5日間焼きこみました。窯の中で薪である赤松の灰が作品に降り、自然にガラス状――釉薬となっています。

自然釉が豊かに流れビードロとなった部分、熾きに埋もれて炭化した部分、銀色に窯変した部分など、ひとつの器の上に様々な景色が生まれ、同じ物が二つとない作品に仕上がります。

自然の力が生きた器

*暮らしの中で使い続けて*

自然の力が生きた器は、どんな物でもやさしく受け入れてくれます。毎日の何気ない料理、季節の花。

灰釉の器は一見地味でも、眺めるほどに色合いが深く、使い続けるほどにその風合いが落ち着いてきます。

割れたり、欠けたりしても、修理をしながら使い続けると、ほころびも愛着に変わります。

私たちは、焼き物を作りながら考える。
モノが溢れているこの世の中で、なぜ敢えて私たちはモノを作るのでしょうか? 現在、飢餓や貧困で苦しむ国がある一方で、日本のように世界中から食べ物を集め、エネルギーを湯水のごとく使う国もあります。

溢れるモノも、口に入る食べ物さえもどこで作られているかも分からないこんな暮らしが、まっとうであるとは思えません。
毎日の食事で使う器
物ごとの成り立ち、モノの成り立ちが見えにくくなっている暮らし。お金さえ出せばなんでも手に入るかのような錯覚。

水道の水が臭かったらペットボトルの水を買うことはできても、そもそも私たちはどうやって水の恵みを得、どうやって水と付き合ってきたのか、そんな単純なことさえも分からなくなっています。

自分たちの暮らす地域のモノを使い、自分たちの手でモノを生み出し、生活の糧である地域の自然を守り続けることが、長い間人間にとっての普通の暮らしでした。そんな暮らし方が失われてしまった日本でのモノづくりは、モノを作るだけではなく、それを通して人間の暮らしの原点を問い直していくことでもあると思います。

焼き物は、ものづくりの中でも、人間の暮らしに最も直結している。

私たちが毎日の食事で使う器は、ほとんどが焼き物。焼き物の材料は土。薪は森。炎を操ってしまうのが人間。焼き物を作ることは、土、森、火などの人間の暮らしのもっとも素朴で根源的な部分と深くかかわっています。人間の生活の歴史や文化が、作陶を通して見えてきます。

自然と共にある暮らし私たち工房草來舎は、自分たちが暮らす泰阜村の”自然と共にある暮らし”を知る先達に学びながら、地域の自然を活かし、自然に負荷をかけず、その循環の中での作陶を心がけています。

大量生産のモノのように、作ることが暮らしや環境を破壊していくのではなく、むしろ作ることによって環境を保全し、暮らしを健やかにしていくことを目指しています。

それらが、使ってくださる方々の暮らしに彩りを添え、暮らしを考える入り口になっていただければと願っている。


お知らせ

●9月24日(日)~10月1日(日)東京展示会開催!
ご案内ページはコチラのページです。大越、丸山の在廊時間は上記ページの下段でご案内しています。

●10月7日(土)8日(日)、金津創作の森クラフトマーケット(福井県あわら市)に出店します。

 

営業日カレンダー

  • 今月(2017年9月)
              1 2
    3 4 5 6 7 8 9
    10 11 12 13 14 15 16
    17 18 19 20 21 22 23
    24 25 26 27 28 29 30
    翌月(2017年10月)
    1 2 3 4 5 6 7
    8 9 10 11 12 13 14
    15 16 17 18 19 20 21
    22 23 24 25 26 27 28
    29 30 31        
    (      発送業務休日)

検索

 
 
にほんブログ村 雑貨ブログ キッチン雑貨へ


Copyright (C) 草來舎. All Rights Reserved.